On the yellow guardrail

正字正かなユーザー刑部しきみの清く正しいつつましやかなブログ

彼女にない概念

専門学校在籍中の話を思い出したので書いてみる。オチは特に無い。
今でも友達な女性の話。彼女は私の友人の中では珍しく「とにかく本読むのが嫌い」な人間。小説は勿論、漫画も「友達から借りたら読む」程度。本当に本を読まない人だった。夜七時台とかの子供向けアニメはよく見ていたみたいだが、その原作まではあまり読まない(周りが持っていて気が向けば読む)というタイプ。
そんな彼女が、アンパンマンのパロ漫画を描いてみせてくれた事がある。結構シニカルで残虐っぽい感じではあったがかなり面白く――まぁその内容はさておき。
彼女の漫画のコマ割りは、大きさがほぼ全て均一化されており、いわゆる「四コマ漫画を右から左へ、ずっと並べたもの」「紙芝居的な見せ方」になっていた。彼女の中に「大事なコマは大きく見せて」とか、そんな概念は無く、例えばアンパンマンが顔ぐっちゃりしたシーンでも、バイキンマンがアンパンチされても、淡々と物語は進行していた。
台詞が多いコマだけ、広めのコマになっていた。それでも、台詞が入るようにコマが横にびろーんと伸びる、ただそれだけ。
人生の大ゴマなんて、実はそんなに無いのかもしれない。
意味を詰め込んだ挙句、結局それは別の枠を圧迫してるだけに過ぎないのかもしれない。
なんとなくそんな事を考えたのだった。