On the yellow guardrail

正字正かなユーザー刑部しきみの清く正しいつつましやかなブログ

プリ☆クラ

引き出しの中の封筒から、今年の三月に中学時代の同級生と撮ったプリクラが出てきた。神戸に嫁に行った友人S嬢が主役で、地元の旨いイタリアンレストランで飯を食い、店内で散々喋り倒し――ああ、そういえばS嬢はあまおうのデザートをにこにこしながら食っていたな、とか、三人位白黒ボーダーの服を着ていたとか、店に定刻に着いたのは私だけで他の奴等は遅刻だったなとか、色々思い出した。
「あ(に濁点)ー」とか「ざまりー。」等という意味不明な書き文字。クラリネット吹きの友人の胸元に光る「ドS」のスタンプ文字も眩しい。「嫁一号」だとか「せれう(またもや濁点付)嫁」だとか、頭の上にうんこだとか、どうやら中学時代と何も変わっていないのは顔だけではないらしい。
出てきたものは仕方が無いので、机の上のノートの中からプリクラ帳を探す。プリクラ帳というものの、何の飾り付けもない無印の写真入れにダイソーの色画用紙を入れて作るシンプルな代物だ*1
社会人に成ってから使い出したものなので、何かの集まりでもないとプリクラなんて撮らない。したがって、四分の一も使っていないのである。ちなみに、ロマンシング・サガ2の攻略本とディズニーの塗り絵の間から出てきた。一通り目を通し、人類のスタンダード様が血文字で「うんこ」と書いたプリクラを見つけて「血便かよ」と噴き出す。そういえば毎回これで噴いている気がする。あと、茶髪で目が緑色に発光しているTheoria氏のプリクラも見つける。白飛びする程の驚きの肌の白さに軽く殺意を抱きつつ、まだ使っていないページを開いた。
足元に転がっているお道具箱から青い色画用紙を出して、適当にレイアウトを考えつつプリクラを貼り付ける。枚数はそこそこにあるのだが、なんせ小さいので、中央に大きな余白が出来た。ソファの前の古雑誌の束から適当に一冊抜き出し、広告を探す。ナチュラルな服でソファで寛ぐ女性の写真を無造作に切り取る。半開きの目が気に食わなかったので、鼻から上を鋏で切り落とす。あとは余白に合うように切って貼るだけ。本来ならば広告を切る作業の方が先のほうが楽だし望ましいのだけれど、いつやったか忘れた位昔の作業の手順は、実際にやってみるまで失敗だと思い出さないものだ。ものだ。とか云って正当化する自分もどうかと思うけれど。のりで貼るとどうしても端が心配なので、シール入れからギャル雑誌の付録のシールを取り出して数箇所に貼っておいた。更に余った場所に日付などのメモを書き込んで、インクが乾いたら完成。
常々「自分の顔が嫌い」「死ねば良いのに」と云う私だが、たまに聞くように自分の顔を塗りつぶすだのという事はしない。いわゆる「データ厨」の私には、自分の顔への嫌悪よりも、記録が不完全になる事のほうが苦痛だ。データが完全に無くなる(しかも我慢ならない事に、他の人はそのデータを所有している!)のも良い気分ではないので、結局自分の顔に「おえっ」と云いつつ、記録を保持しておくしかないのであった。

*1:こうすると後で順番の入れ替えが楽だし、一枚が狭い方が飽きずに出来事単位で綺麗に貼れる