On the yellow guardrail

正字正かなユーザー刑部しきみの清く正しいつつましやかなブログ

未だ閉塞中

キャンドルを焚く。固定化された夜の闇に火を点けて、蕩けた液体の湖をぼんやりと見る。夏など早く終わってしまえば良い。冷房の効いていない部屋で、私はじんわりと浮かぶ汗を拭いもせずに呆けている。燃えるオレンジの中から、桜桃の茎に似た、キャンドルの芯が見え隠れする。そういえばこのキャンドルはどことなくアメリカンチェリーに似ている。だが、漂ってくる香は花の匂いと称したシャボンのそれに近い。米国の真夏の夜というものはこんな匂いがするのだろうか。